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のんべんだら話

好きなときに、好きなものの話をしてるだけ。

FAKE


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監督・森達也
時間・1時間48分
ジャンル・ドキュメンタリー
パンフレットは600円で、 コラムがたくさん読めました。

一言感想・私達は何を知れて、何を見れているのか。

 


映画『FAKE』予告編

 

あらすじ

騒動後の佐村河内氏の自宅を森達也が尋ね、佐村河内氏と妻の薫さんを交えた三人のやり取りから始まる。

2人と猫が住む静かで薄暗い空間には、やがて仕事の依頼に来たメディア関係者と真相を知りにきた海外の記者が現れ……。

 

私が森達也さんの事を知ったのは、「ドキュメンタリーは嘘をつく」という番組を授業で見せてもらったからなんですが、視聴者をあっかんべーして突き放すラストに、「この人はとんでもない人だ。。」と思いましたね。

 そんなとんでもない、森さんが佐村河内氏の密着ドキュメンタリーを撮ったらどうなるのか……。

五里霧中とは、このことを指すのでしょう。

大概映画を見る時って、どこかで時間を気にしてて、この展開だったら、そろそろ終わるなとか、クライマックスだなとか、頭の隅で考えてる自分がいるんですが、この映画に際しては、見れば見るほど、自分は何を見ているのか。何を信じればいいのか分からなくなってくる。

 

※この先、予告に含まれてない本編の内容(ラストのことではない)と、この先も個人の役に立たない感想が含まれます。それでもいいよーって方だけ見てください。

 

 

 

 

人は人は、分かり合えない

真実というのは、間に挟むレンズが増えれば増えるほど、ボヤけるものだということ。

レンズとは、価値観だったり、隔たりだったり、単純に前に立つ沢山の人だったり。

 

特にそう思ったのは、日本のメディア関係者が氏の家に来た時の態度。

誰も氏を信用せずに来たのが丸わかりで、それが実際、薫さんを挟んで手話を通じて会話していくうちに、段々と態度が変わっていき、ゆっくりと話すようになっていくんですよね。 

 

記者側の隔たりが少なくなって良かったとは思うんですが、氏の方にも隔たりがあって、それはある曲のリズムが叩かれて、その曲を当てたら、耳が聞こえてると捉えられたと悲しそうに伝えるシーンなんですが……。

音楽を知らない私からしたら、それだけで曲が分かったら耳が聞こえてると思ってしまうなぁと。

 

本編の中には、分かり会えてないっていうことがいい方向に進んだシーンもあります。

騒動後、すぐの薫さんが言ったことなんですが、突如流れ出した恋愛映画のような雰囲気には、ちょっとビックリしてしまいました。

 

猫、かわいい。

 この映画を盛り立てる重大な要素が美人なロシアンブルーちゃんと、物凄く愛くるしいちょいデブニャンコちゃんです。

 

猫ちゃんたちは、随所、随所に登場し和ませてくれるんですが、ネコちゃんたちの行動の中には、森さんがいかに氏と行動を共にしてるのかというのが分かるシーンもありました。

 

総括として。

見ている間も見た後も、色々考えました。

多分、この映画ではなく、他の人が撮影したドキュメンタリーで、穏やかな氏を見たら、きっと本当は穏やかな人なんだろうと思うし、終始ムッとしていたら、あの会見通りの人なんだろうと思うでしょう。

 

でも、人は誰しもFakeするんです。

好きな人の前ではよく見せようとするし、嫌いな人の前では知らずに固くなってしまう。

だからといって、穏やかで意外にもチャーミングな所のある氏と、誰に対しても丁重にケーキでおもてなしをする薫さんが、嘘だとは思っていない。思いたくありませんが(笑)

 

あくまでも、この映画は森達也というあの空間に居ることを許された人が撮影した映画なのです。